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繰り返す発熱

20代、30代を中心に新型コロナウイルス感染症が急速に広がって来ていますが、小児では新型コロナウイルスが原因ではない咳、鼻汁、発熱を訴える乳幼児が依然増えています。

5月ごろから国内で大流行していたRSウイルス感染症は、南北アメリカ大陸、フランスなど世界の複数の地域でも、例年以上のRSウイルス検査陽性数・陽性率の増加が報告されていました。

ここ最近の国内RSウイルス検査陽性数や陽性率は減少傾向のようで、大流行のピークは越えたように思えます。

しかし、保育園などへ通っているお子さん達が、1週間おきに高熱を出すなどいくつかのウイルス感染が例年以上に流行っている感じです。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が2020年2月1日に指定感染症に定められて以降, 全国の地方衛生研究所等で新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の遺伝子検査でSARS-CoV-2不検出の症例から,  ライノウイルスやヒトコロナウイルス, パラインフルエンザウイルスなど一般的な呼吸器感染症ウイルスが検出されているとの報告もあります。

特に小児においてはパラインフルエンザン3型が例年以上に流行している可能性が示唆されています。

小児におけるパラインフルエンザウイルス感染拡大は,保育園や幼稚園,学校などで起こります。パラインフルエンザウイルスは,パラミキソウイルス科ウイルスで,血清型は1~4型に分類され,主に1~3型がヒトの呼吸器感染症を引き起こします。1型,2型は生後5ケ月から6歳までの乳幼児に見られることが多く,3型は感染力が強く通年発生し1歳までで50%以上,3歳まででほとんどが感染すると言れています。

パラインフルエンザ1型は,主に乳児のクループ(喉頭気管気管支炎)の原因としてよく知られています。3型は,乳幼児でRSウイルス感染症と似たぜーぜーした喘鳴を伴う細気管支炎を引き起こし鑑別は難しいですが,RSウイルスより軽症であることが多いと言われています。

また、パラインフルエンザウイルスは反復感染を引き起こす恐れがありますが、再感染時は軽症であるため、免疫能が正常な成人や小児ではほとんどは無症状または軽度です。一方、これまでパラインフルエンザに罹ったことのない乳幼児は、保育園などの集団生活を通じて感染して、発熱、咳嗽を引き起こす可能性もあります。

新型コロナウイルス感染症対策が影響しているのかは不明ですが、RSウイルスをはじめ、様々な一般的な風邪を引き起こすウイルスも変異しているのかもしれません。どんなウイルスでも発熱が長期に渡る場合は、中耳炎、肺炎などの合併症も疑い速やかに医療機関を受診して下さい。

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