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1月に入り、嘔吐・下痢の感染性胃腸炎が内科・小児科ともに増えてきています。
また、コロナも大人を中心に少しずつ増えてきており、インフルエンザは2回目のA型やB型に感染するお子さんが出てきています。
これからの寒い期間は、まだまだ感染症の予防対策を怠らないようにしたいものです。
♠こどもの便秘♦ のお話
なんらかの原因によって排便回数や便量が減少した状態、排便するのに努力や苦痛を伴い便が出にくい状態,排便時に肛門の痛みで泣いたり,いきんでも排便できない状態、を「便秘」と定義されています。
排便する習慣は個々で異なっていますが、おおむねお子さんの場合、排便が週2回以下、または5日以上出ない場合が便秘の目安です。また、毎日出ていてもコロコロうんちで排便時に痛がったり、肛門が切れて血が付着する場合も便秘と言えます。
新生児期からの便秘はヒルシュスプルング病や直腸肛門奇形など否定すべき疾患もありますが、小児の便秘は内科的・外科的基礎疾患がない「慢性機能性便秘症」がほとんどです。
こどもの便秘が発症しやすい時期は、①乳児における母乳から人工乳への移行,あるいは離乳食の開始,②幼児におけるトイレットトレーニング,③学童における通学の開始や学校での排泄の回避,の 3 つが知られていますが、発症のピークは 2~4 歳のトイレットトレーニングの時期とされています。
直腸内に過度のうんちが貯留すると、便意を鈍化させ,排便時の痛みも加わり,排便回避につながり便秘が悪化する悪循環に陥り、慢性便秘となっていきます。
<便秘の治療と家庭で気をつけること>
● 溜まったうんちを出す:浣腸や下剤の飲み薬で便を出します
● うんちが再び溜まらないようにする:生活・食事・排便習慣の見直しや非刺激性下剤の飲み薬を使用します。
たっぷりの食物繊維の摂取と飲み薬(緩下剤)にて、ブリストル便形状スケールのタイプ4を目指して治療します。
<便秘に有効な食物繊維の多い食品>
●いも類/さつまいも、さといも、こんにゃく
●野菜類/白菜、キャベツ、ピーマン、なす、にら、もやし、きゅうり、ごぼう、ニンジン、大根
●豆類/大豆、小豆、おから、納豆
●穀類/玄米、麦飯、コーンフレーク、ポップコーン、オートミール
●果実類/みかん、オレンジ、あんず、パイナップル、乾燥プラム、メロン、キウイ、バナナ
●きのこ類/しいたけ、しめじ、えのき
●海藻類/わかめ、昆布、海苔、寒天、ひじき、もずく
<小児で使用する主な飲み薬(緩下剤)>
●マルツエキス(麦芽糖)
●酸化マグネシウム(お子さんの便の状態に合わせて量を調整)
●ポリエチレングリコール製剤(モビコール:2歳以上)
毎日飲んで『くせ』になることはありません。直腸にうんちを貯めない習慣を作ることで慢性便秘は解消されていきますので、うんちが出てもすぐにやめないで医師と相談しながら継続が必要です。